透明包装材への紫外線遮断方法

現在、多くの食品や飲料の包装材として利用されているフィルム、シート、ボトルなどのプラスチック包材、ガラスびんは完全な遮光性をもたないため、光線の影響を軽減するために何らかの選択遮光をする必要が出てきます。

可視光は、380~780nmの範囲の波長の光線ですが、可視光の選択遮光の方法として、包装材に着色したり、印刷したり、あるいは着色した包材で外装するといったことが行われています。

例えば、ビールや日本酒のガラスびんが代表的なものです。ビールは波長が400~500nmの光線の影響により日光臭が生じるとされています。魚肉ソーセージは着色包材で外装されていますが、これも退色防止のためです。

飲料容器としてPETボトルが多用されるようになりましたが、内容品によっては遮光が必要となります。PETボトルに選択遮光性を付与する方法として、PET樹脂を着色する方法があります。ところが、PETボトルをリサイクルする場合、着色ボトルは処理が困難になるという欠点があります。

このため、選択遮光性をもつシュリンクラベルをPETボトルに巻き付ける方法が採用されるようになりました。紫外線は、100~380nmの範囲の波長の光です。油脂の酸化の酸化速度は、290~390nmの波長の光によって最も促進されると言われておりますが、透明な無色のプラスチックは、290nm以上の波長の光を吸収するものはないため、紫外線を遮断することが必要となってきます。

透明なプラスチックに紫外線遮断性を付与する方法とし、紫外線吸収剤を練り込んだり、塗布するといったことが行われています。

プラスチック添加用の紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系あるいはやベンゾフェノン系のものがあります。紫外線のみを散乱させる微細な酸化チタンのような粒子をブレンドする方法もあります。酸化チタンは、紫外線遮断インキとして塗布する方法としても利用されています。

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