包装材の遮光性

食品包装において、中身が見えることということが非常に重要です。

消費者が包装食品を購入する場合、中身が見えるということは、その食品のおいしさを確かめるための一つの情報となり、その食品に対する安心性を高めることにもなります。

ところが、中身が見える包装材料ということは、裏を返せば可視光や紫外線などの光線を透過することであり、中身の食品にとっては好ましいことではありません。光線は、食品の酸素による酸化を促進させ、食品中の脂質の酸化、変色や退色、栄養素の分解の原因ともなります。

脂質の酸化など食品の酸化には、自動酸化、光増感酸化、および酵素酸化の3種類があります。自動酸化は酸化が開始されるまでに一定期間の誘導期があり、光の存在下で起こる光増感酸化にはほとんど誘導期はなく、光の影響を防ぐ対策が非常に重要になると考えられます。

光の影響を防止する方法には、光をすべて遮断する全体遮光する方法と、食品に悪い影響を及ぼす特定の波長の光を遮る選択遮光の方法があります。

全体遮光の機能をもつ包装には、金属缶やアルミ箔を使った包材、木箱、紙カートン、向磁器などがありますが、ガラスびんやプラスチック包材の多くは遮光性に乏しく、これらの包材で包装したものを完全遮光するためには、これらをカートンなどに入れて外装する必要が出てきます。

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