食品包装の湿気

食品というのは水分によって腐敗したりすることもあるかと思います。

包装によってどうやって湿気を防止できるかを見ていきたいと思います。

水蒸気は分子1個1個がバラバラになっているそうです。雨粒は水分子が集まって水素結合によりクラスターの塊を作っているそうです。そのために水蒸気に比べて分子が大きくなっているそうです。

そういうことから、耐水性と水蒸気遮断性というのは基本的に異なっているそうです。

フィルム内を水蒸気が透過するメカニズムというのは、湿度の高い空気中の湿気がフィルムに吸着されてしまうからのようです。そのため水分子としてフィルム内に溶け込むそうです。

また、水分子というのは拡散しながらフィルム内を通過しているそうです。通過しながら反対側の表面に到達して、蒸散するそうです。

このようなことから、包装された袋というのは、袋内が低湿度ならば外界から湿気が侵入してきて、反対に袋内が高湿度ならば外界に湿気が蒸散するということで、平衡状態になるそうです。

水蒸気というものが透過する度合いとなると、それぞれのフィルムのもつ固有の特性によって決まるそうです。必要とされる特性を考慮して適切にフィルムを選ぶということになるそうです。

乾燥食品というのは、大気中の水蒸気を吸着しやすい状態にあるそうです。

物理的な現象として浸透圧の差によって吸湿するということだそうです。

乾燥食品とうのは吸湿すると、硬化、固結(ケーキング)、潮解、変色、細菌の増殖などが起こるそうです。

吸湿することで、乾燥食品がもっている味覚や食感(テクスチャー)が変わってしまうそうです。

これを防ぐためには、吸湿しない包装材料(PE,PPなど)を使用して防湿包装を行うそうです。

真空包装に使うプラスチックの袋類というのは、包装を行うときにピンホールが発生しやすいそうです。そのため厚めの柔らかいガスバリア性フィルムが採用されているそうです。

フィルムの選定には、酸素による品質の度合い、要求品質、価格などで決まっていくそうです。

その中でもナイロンやPETを基材として、ポリエチレンとの積層フィルムが多く使用されているそうです。

ガス置換包装というのは、食品を袋に詰めて、袋内の酸素を抜いて、窒素や炭酸ガスなどの不活性ガスを置換する包装形態のことだそうです。

具体的にいうとノズルを入れてガス置換するノズル方式があるそうです。他にも真空チャンバーの中で脱気した後にガスを置換するチャンバー式、不活性ガスを吹き付けながら酸素を追い出してガスを置換するガスフラッシュ方式があるそうです。

窒素ガス、炭酸ガスがガス充填不活性ガスとして多く使われているそうです。

窒素ガスというのは、空気中に78%を占める無味・無臭・無色・無害・無毒の不活性ガスのことだそうです。

空気中の酸素除去を目的として削り節、のり、緑茶、コーヒー、菓子、食用油、油揚げ、粉乳などの酸化防止などに使われているそうです。風味の保持にも役立つそうです。ただ、静菌作用がないそうです。

炭酸ガスというのは、水と油に溶解するのだそうです。

水溶液中では、炭酸として微酸性となって酢酸臭があるそうです。制菌・防虫作用があるそうです。好気性細菌やカビ、害虫の発生を抑制するのだそうです。

袋内の炭素ガス濃度30%で静菌効果、50%以上ではほとんどのガビが防止できるそうです。

炭酸ガス置換食品には、ハム・ソーセージ、和・洋生菓子、パン粉、チーズなどがあるそうです。

      

食品包装フィルムの臭気防止対策

     

食品包装フィルムの臭気発生の原因の第一に、使用するプラスチック材料にあると言えます。プラスチックを製造するときの重合触媒や重合時に生成される副生成物に臭気発生物質となるものが多くあり、触媒に関しては、PET樹脂のように、SbとGeの複数の触媒による製品がある場合、フレーバー特性の良好な触媒による樹脂を使用することが必要となります。

フレーバーテストの結果では、Ge触媒によるPET樹脂の方が良好な結果が得られています。モノマー残渣や生成オリゴマーに関しては、そのような物質をできるだけ含まない樹脂のグレードを選定することが必要となります。

包装なら包材メーカーの例を見るのが良いでしょう。

包材メーカーによっては、樹脂製造メーカーと分析データなどを共有し、より適正な食品包材グレードを開発することが行われているそうです。

次に、プラスチック材料の特性を改良するための添加剤にも臭気発生原因となる物質が多くあると言われおり、できるだけ添加剤を使用しないことが原則となります。しかし、使用せざるを得ない添加剤もあるため、このような場合、フレーバー特性に影響が少ないものを選定する必要が出てきます。

食品包装用ポリオレフインフィルムの酸化防止剤としては、安全性も重要であり、トコフェロール(ビタミンE) など食品用の酸化防止剤としても使用可能なものが一般に使用されています。

包装材料に使用されているプラスチック材料の臭気発生原因物質が微量に含まれている場合でも、包装材料を多層構造にし、内容品側の材料にバリア材料を使用することによって、臭気発生原因物質を内容品側に移行することを阻止する方法がファンクショナルバリアの考え方です。ファンクショナルバリア材として使用できるプラスチック材料は種々開発されています。

     

溶解度パラメーター(SP値)

     

包装食品など、包装された内容品の香気成分の量的減少は、包装材料への収着と包装容器外への透過に依存します。

保香性包装の場合、容器材料への収着による量的減少が支配的である場合が多く、プラスチックに対する香気成分の収着特性を十分把握しておくことが重要です。香気成分と包装材料の相互作用を多くの収着実験により明らかにした報告があります。

実験は、まず評価するプラスチックフィルムの外側にアルミ箔をラミネートしたサンプルによりパウチを作成し、その中に香気成分の溶液を充填後、一定条件で時間をかけ平衡収着させ、分配平衡に達したとき、フィルムに収着された香気成分と溶液に残存した香気成分を回収して、ガスクロマトグラフ法などにより定量したのち、(フィルムからの回収量)/(溶液からの回収量)という分配比を算出します。この分配比が、芳香成分のプラスチックに対する収着性の指標となります。パウチ法の代わりに、ガラス容器に芳香成分溶液を入れ、その中にプラスチックフィルムを浸漬して平衡収着させる方法も採用されています。

プラスチックと有機化合物との親和性を予測する目安として、溶解度パラメーター(SP値) があります。

このSP値は、分子同士が自分で引き合って集まる力、すなわち凝集力に関係しています。凝集力は分子間力であり、水素結合力とファンデルワールス力の和です。液体の凝集エネルギー(凝集力)は、液体の蒸発熱ΔHと深い関係にあり、液体の凝集エネルギー密度(CED)は、その液体の蒸発熱ΔHと関係があり、2つの液体が溶け合う程度は、このCEDの平方根が指標となります。

この指標が溶解度パラメーター、SP値となり、この値がプラスチックの良溶媒を選択する目安として利用されています。このSP値は、保香性包装材料を選択する目安としても利用可能です。